シューベルト:交響曲第9番「グレイト」/クナッパーツブッシュ指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 1957年ライヴ [クナッパーツブッシュ]
(DG:435 328-2)
1957年10月27日ウィーン楽友協会大ホールでのライヴ。
登場の拍手から収録されていますが、拍手が止まらないうちに、演奏が開始され、拍手に交じって第1楽章冒頭のホルンが聞こえてくる・・・。
そっけなく始まったかと思えば、テンポ変化や音の強弱で、クナ節を刻み込みながら音楽を作り上げていく。
この演奏を初めて聴いた時に驚いたのは、第3楽章の7分過ぎあたりの休止。突然、音が止まり、静寂が広がる。まるでブルックナー休止のような。
これは、クナッパーツブッシュだからこそ許された演奏なのでしょうね。
第4楽章では、急激なリタルダンドなどテンポの変化が凄まじく、こんなに抑揚のある解釈は、他の指揮者では、聴いたことがない。
とても個性的な解釈の演奏なので、聴く人により好き嫌いが分かれるかと思いますが、個人的には、ウィーンフィルと作り上げた白熱ライヴの記録という意味でも、好きな録音です。
録音は、適度な残響で鮮明な音が収録されており、鑑賞用のライヴ録音としては、ベストの部類に入ると思います。
コメント 0